フィンランドは病気の子どもの教育環境が整っている国

コラム

フィンランドは、普通学級において病気の子どもを特別な存在としてみることなく、特別支援が必要な子どもとして、他の困難を抱える子どもと同じように支援する体制が整っています。日本の普通学級は、特別な支援が必要なく、集団での活動が可能な病状になってから通学する場という認識があります。脳脊髄液減少症の子どもたちも、本人が希望する学校生活を送ることが難しいのが現状です。

全日制高校を単位不足で進級できなくなる子、通常学級のお友達と一緒に過ごしたいけれど、支援学校(支援学級)に在籍しなければ適切なサポートがうけられない子など。

子どもが「今日は体調が悪くないから学校に行きたい」と言えば、すぐにでも連れて行ってあげたいと思いますが、学級や学年全体と同じ活動ができない子どもを受け入れていただくには、学校全体の理解と協力が不可欠です。タイミング良く、子どもの体調が良い日と学校側の受け入れ準備が整っている日があうと良いですが、体調をコントロールできない病気とマンパワー不足の学校現場とのタイミングが合うことは稀なことではないでしょうか。このような日本の教育環境を「仕方がない」ととらえていましたが、フィンランドの状況を知ると、フィンランドの病気の子ども同様の教育環境が日本でも整っていくことを願わずにはいられません。「一人はみんなのために」だけではなく、「みんなは一人のために」が教育現場でも当たり前のことになる日がくることを願って、フィンランドの公用語であるスウェーデン語から会の名前「Leende」(笑顔)をつけました。

教育福祉国のフィンランド

日本と異なり、フィンランドの普通学級に在籍する病気の子どもには様々な充実した支援体制があります。そのうちの1つをご紹介します。
学級内に支援を必要とする子どもがいる場合には、専属の支援をする大人が終日付き添ってくれます。

日本では、学校生活の中で病気の子どもの支援をするのは親の役割になります。私たちの仲間も、修学旅行に母親が同行したり、父親が宿泊行事の送迎をしたりするなど、サポートしてきました。仕事の休みを調節するなど、親の負担は大きいですが、病気の子どもを集団活動の中に入れていただくには、親の協力が不可欠なのです。親のサポートを許可してくれる学校はまだ良い方で、親の介入を受け入れない学校もあります。

脳脊髄液減少症だけではなく、他の疾病も、辛い思いをしている病気のすべての子ども達に学習の保障がされ、同年代との関りをもつ機会がもてると良いのですが、残念ながら日本ではまだまだ時間がかかりそうです。脳脊髄液減少症の子どもの願いを「ワガママ」と学校の先生に捉えられないよう、先ずは担任の先生や保健室の先生に子どもの病気のことを知っていただくことからはじめませんか?

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